兎の穴から堤が崩れるようです

<ウサギ>増えすぎて堤防が危機 東京・荒川の河川敷

 東京都東部を流れる荒川の河川敷(墨田区墨田5)で、ホームレスの沖元智加男さん(57)=広島県出身=がペットにしていたウサギが繁殖、約50匹がはね回り、堤防に上って穴を掘ったり、芝を食べたりしている。管理する国土交通省の荒川下流河川事務所は「堤防の強度が危険にさらされている」と、来週にもウサギを囲い込むさくを作る。
 沖元さんは約3年前、ホームレス仲間が飼っていたウサギが自分の小屋の布団で子を産んだのをきっかけに、ウサギを飼い始めた。ウサギは一度に6〜7匹の子を産む。次々に増え、「多い時で70匹、現在は50匹ぐらい」(沖元さん)。
 ネコから守るために囲いの中で飼っていたが、昨秋の台風で壊れ、野放し状態になった。ウサギは夜になると動きが活発になり、堤防(高さ約7メートル)のあちこちに穴を掘り、土の流出を防ぐために植えられた芝生をモグモグ食べている。
 ウサギは人に慣れ、散歩する人たちのアイドルとなっているが、同事務所は「穴や芝の傷みは水の浸透を容易にし、堤防の強度を低下させる。放置できない」と、沖元さんと対策を話し合ってきた。沖元さんも「ウサギの面倒を見るのが生活の張りだが、迷惑を掛けているのは分かる。餌代が1日約1000円かかり、不景気で日雇いの仕事が減って面倒を見るのが大変になってきた」と話す。同事務所は河川敷に木製のさく(縦8メートル、横10メートル)を作り、ウサギが堤防に近づかないようにすることにした。
 沖元さんは、可愛がってくれそうな人にウサギを譲ってきたといい、「飼ってくれる人がいれば引き取ってほしい」と話している。【渡辺暖】
毎日新聞) - 2月19日15時4分更新

これは今朝テレビでも扱われていて興味深かったので取り上げます。
この記事の文章は少しのどかに書かれているのですが、
実際はかなり大変なことになっているようです。


兎は繁殖力が非常に強いという話を聞いたことがありますので*1
あっという間に数が増えてしまうようです。
ねずみ算ならぬうさぎ算、といったところでしょうか。


「ウサギ美味し…♪」という歌もありますし*2
昔は兎の肉が貴重な食料になっていたそうですので*3
誰かが捕まえて煮てウサギ汁にでもしていたのではないかと思います。
しかし、このご時世ではそういうわけにもゆかない*4と思われますので、
兵糧攻め」で自然に減るのを待つしかないのでしょうか。
まぁ、あまり効果があるようには思えませんが。
「飼ってくれる人がいれば引き取ってほしい」とのことですが、
残念ながら焼け石に水、というような気がします。
引き取られるよりも産まれる方が速そうな気がします。


動物の繁殖で困っているという話はあちらこちらでよく耳にします。
動物を野に放つというのは、人によってはそれが動物のためになると思っているようですが、
制御不能になるととんでもないことになって、
人間に害をもたらすだけでなく、当の動物の側も決していい思いをしないということは
今までに人間は様々な事例を通じてさんざん学んできたはずなのですが。
まだまだ人間にはこういう意識が足りないようです。


ここまで来れば、何だか人がウサギに飼われているようです。


*1:某雑誌のシンボルマークにウサギが採用されているのはその辺に理由があるという話を聞いたことがありますが…

*2:もちろん、正しくは、「ウサギ追いし…♪」です。

*3:ウサギを「1羽」「2羽」と数えるのは、ウサギを鳥の一種ということにして食べるためなんだとか…

*4:知る人ぞ知る名店迷店「肉のささき」では売られているらしいですが。