台風で足跡に一喜一憂…明暗が分かれたようです。

台風でゾウ足跡発見 湖国の太古をほうふつ

 滋賀県湖南市吉永の野洲川河川敷で26日、台風23号で土砂が洗い流されて露出したとみられる粘土層から、約200万年前に琵琶湖周辺に生息していたとされるアケボノゾウとシカの足跡化石が多数見つかった。ゾウの化石は爪跡まで鮮明に残っており、湖国の太古の姿をほうふつさせている。
 発見したのは同市正福寺の野洲川漁協組合員、中村洋一さん(62)。増水した川底の状況を調査していて、新生橋上流約300メートルの野洲川右岸で、露出した粘土層に動物とみられる足跡があるのに気付いた。連絡を受けた甲賀市水口町の「みなくち子どもの森自然館」学芸員の小西省吾さんがアケボノゾウとシカの足跡化石と確認した。
 ゾウの足跡は、約200万年前と推定される古琵琶湖層の地層で見つかった。一つの大きさは直径約30センチ、深さ約5−6センチ。十数個が、長さ約20メートル、幅約5メートルの範囲にくっきりと残っており、爪跡まで確認できる。シカの足跡は、幅約8センチのV字形のひづめ跡で、無数にあった。
 アケボノゾウは、ステゴドン科の小型ゾウで、日本列島の固有種。足跡化石は1998年、野洲川河川敷で大量に発見されたのをはじめ、県内各地で見つかっているが、今回は残り方が良好という。
 小西さんは「足跡化石は、いずれも鮮明で爪跡まで分かることからゾウの大きさが推定され、貴重な発見」と話している。
京都新聞) - 10月27日15時12分更新

台風で思わぬ収穫です。
台風というのは、普通はあまり歓迎されないもののはず*1です。
今年は特にたくさん上陸したこともあって
深刻な被害を受けた場所が非常に多くなってしまいました。
おそらく、この足跡が見つかった近辺でも、
被害を受けた場所がかなりあっただろうと思います。
しかし、こんなこともあるものなんですねぇ。


今後、どこかの発掘作業で、
水で洗うように土砂を取り除く…という方法が使われるようになるかもしれません。


200万年前の象の足跡…一度見てみたいものです。



次のニュースです。




ある秋の日
誰もいない海岸
砂浜に

 点

  点

 点

刻まれた
見知らぬ誰かの足跡が
波に洗われ 削れ 海水へと





…と書けば何だか絵になる光景になってしまいますが、

台風でイグアノドン足跡の化石危機 鳥羽、土のうを再積み上げ

 【三重県鳥羽市安楽島町にある恐竜の足跡化石が相次ぐ台風と高波でむき出しになり25日、鳥羽恐竜研究振興会などが土のうを積むなど修復作業を行った。
 足跡化石は、草食恐竜イグアノドンのもので、鳥羽竜化石発見場所の同町海岸で1998年に発掘された。これまで約200袋の土のうを積み、現場保存していたが、今年7月30日の台風7号を皮切りに度重なる台風の影響で、ほとんどの土のうが海に流出。岩の一部がはく離したほか、化石がむき出しとなっていた。
 修復作業は午前9時から約2時間行われ、同振興会のほか、作業服姿の市議会議員、鳥羽商工会議所、市役所の職員ら約40人が参加。海岸の砂を入れた約500袋の土のうで二重、三重にバリケードを築き、約3メートルほど積み上げた。
 同振興会は抜本的な保存を市、県などに求めているが、化石発見現場のすぐ上に県道が通っており、安全面から切り取りなどは困難だという。振興会関係者は「多くの人の協力でたくさんの土のうを積むことができたが、今後のことを考えると心配は残る」と話している。 (奥野 賢二)
中日新聞) - 10月26日11時33分更新

こっちでは台風で足跡が困ったことになっているようです。
まぁ、ふつうは、台風が来たときには
前の記事のようなことは例外中の例外で、
こっちの記事の方が普通によくあることなのでしょう。


地域の方々もかなりの努力をしているようですが、
自然の力の前に何となく無力感を感じます。
自然により生じたものがまた自然の手により自然の元へと帰っていく…
といってしまえばそれまでではあるのですが。
恐竜の足跡…
貴重な地球の記憶です。
何とか保護がうまくいってもらいたいものです。


*1:もちろん、水不足の時は別です。