一風変わったベストセラーです。

ネットで無料公開の『9.11委員会報告書』、書籍版もベストセラー

 ベストセラー・ランキングのノンフィクション部門で7週連続1位という事実を目の当たりにしても、出版関係者は今なお、『9.11委員会報告書』のヒットに困惑気味だ。

 この本は、米国の同時多発テロに関する国家調査委員会(通称:9.11委員会)の報告書を一字一句そのままで印刷し直した、516ページにもおよぶペーパーバックだ。通常この種の本が米国民の読書リストのトップを維持することはない。しかも、この報告書は他のたいていの政府発表文書と同様に、オンラインで無料で入手可能なのだ。

 それでも、委員会の http://www.9-11commission.gov/ ウェブサイトにアクセスして報告書をダウンロードする作業よりも、10ドル程度を支払って書籍版を購入することを選んだ人は、60万人以上を数える。書籍版の公式出版元である米W・W・ノートン社にとって、これは予想外の大ヒットとなった。

 報告書のオンライン公開日と同じ7月22日(米国時間)に書籍版を売り出したノートン社の広報担当者は、「この本がこれほどまで売れるとは誰も予想していなかった」と言う。同社は8月から、詳細な索引を付けたハードカバー版の販売も開始した。

 『9.11委員会報告書』は、国家のきわめて重要な問題を驚くほど読みやすくまとめた文書であり、政府予算による著作物の歴史の中で独自の地位を占めることになった。さらに、オンラインでの無料配布が書籍版の売上におよぼす影響について、明確な特徴を示すケーススタディーとしての役割も果たしている。ここから教訓が1つ得られた――何かをオンラインで無料で読めるからといって、そうしたいと思う人ばかりではない。

   … … … 以下、略します。 … … …

   電子書籍の無料配布という形と、従来の書籍での販売を両方行うことに関する議論です。
   興味のある方はご覧ください。

(WIRED) - 9月24日16時50分更新

海の向こうでは、妙なものが飛ぶように売れているようです。
これはもちろん、同時多発テロに対するアメリカ国民の強い関心によるものである、
ということは疑いようもないことな訳ですが、
それにしても、政府刊行物という、どちらかというと「売れない本の代名詞」の類に属するものが
これだけ売れるというのは不思議です
日本の、洋書を扱っている本屋さんで売り出したら、
もしかしたら案外売れるかもしれません。


日本でも、小泉純一郎氏が首相になった直後には
国会中継」が視聴率ランキングの上位になった、ということで
話題になったことがありましたし、
ちょっとずれますが、最近では、社歌が*1ヒットした、ということが、
話題になったこともありました。
それでも、ふつうあまり売れないものが、
ここまで飛ぶように売れたという話は聞いたことがありません。


2004年の年間売り上げランキング1位
本…官報*2
CD…国会中継*3のCD
DVD…株主総会のDVD


というチャート、ちょっと見てみたいような気がします。


*1:日本ブレイク工業」)でしたっけ?

*2:わたしは見たことがありませんが、どちらかというと本というより新聞に近いものですかね?

*3:誰か、「子供に見せたくない番組」と言っていた人がいましたが…