囲繞地、僕婢、木戸銭、厠坑…

民法を全面現代語化へ 改正案、秋の国会に提出

 法務省は2日、片仮名で文語体の民法を全面的に現代語化する方針を明らかにし、改正案を公表した。「木戸銭(きどせん)」を「入場料」と言い換えるなど、表現を一新する。同省はホームページで意見を募った上で、9月に正式決定。今秋に想定される臨時国会民法改正案を提出、来春の施行を目指す。
 対象は、1896年に制定された民法のうち、第1編(総則)、第2編(物権)、第3編(債権)の計724の条文。片仮名の文語体で、現代生活では使わなくなった言葉もそのままになっており、刑法などで現代語化が進む中、民法は見直しが遅れていた。第4編(親族)、第5編(相続)は戦後間もなく現代語化されている。
 同省によると、言い換える言葉は100前後に及ぶ。「囲繞地(いにょうち)」を「その土地を囲んでいる他の土地」と言い換え、鉄道など交通基盤が未整備な時代をうかがわせる「旅客、其従者及ヒ牛馬ノ宿泊料並ニ飲食料」は「宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料」とする。(共同通信
[8月2日20時34分更新]

「僕婢」は「家事使用人」…民法全文、口語化へ

 法務省は2日、カタカナ文語体の民法全文を、ひらがな、口語体化する方針を明らかにした。

 1896年(明治29年)に制定された民法には、耳慣れない言葉や、今では全く使われなくなった用語が多く残っているためだ。今秋予定の臨時国会民法改正案を提出し、来年度からの施行を目指す。

 口語化案によると、「僕婢(ぼくひ)」は「家事使用人」に、「木戸銭(きどせん)」は「入場料」、「薪炭油」は「燃料及び電気」に、「囲繞地(いにょうち)」は「その土地を囲んでいる他の土地」にそれぞれ改める。牛や馬を使って旅行することを前提とした「旅客、其(その)従者及ヒ牛馬ノ宿泊料」との表現は、単に「宿泊料」とする。

 また、制定当時はトイレとして使われた「厠坑(しこう)」(排せつ物をためる穴の意味)は、隣接地から1メートル以上あけるよう規定した条文の中にあり、衛生状態が保たれた現代のトイレと区別するため、「し尿だめ」とする。

 民法は全5編で、今回は1―3編(総則、物権、債権)を口語化する。4、5編(親族、相続)は既に口語化されている。

 法務省は1991年に民法の口語化を決めたが、見直す量が膨大であるうえに、条文の実質改正を優先させたため、これまで手つかずになっていた。(読売新聞)

時代から取り残されていた民放民法がやっと現代風にお色直しされることになったようです。
19世紀の、森鴎外の小説から飛び出してきたような表現が
何で21世紀に至るまでほったらかしになっていたんでしょう?
囲繞地、僕婢、木戸銭、厠坑*1
わたしも初めて聞きました。
法律の世界は不思議です。


でも、口語化してもやっぱり法律が難しいことには変わりがないのでしょう。
まぁ、わたしは六法全書を読むことなんて当分ないでしょうけど。


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